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「おおかみこどもの雨と雪」

2012.07.23 Monday | by はつか
「 雪の日に生まれたから雪にしよう」
「じゃあ弟は雨だね」

CMのこのセリフがとても印象的だった。
と、いうか引っかかった。
「じゃあ弟は雨だね」というセリフから
2人は双子で、雪が雨に変わる頃弟が生まれたのかなとか
2人に名前をつけてあげたのが実は生まれてから大分経ってからだったのかもとか。
劇中でどんな風にこのセリフが使われるのかというのは実は大きな関心だった。

(以下ネタバレ注意)
■ところがこのセリフは本編には無かった。
それどころか、そもそも名前を付けるシーンが無かった。
まったく何と上手いことだろうか。雨と雪の名前の由来はCMで済ませたのだ。
作中では直接的なセリフは無かったものの
天気の描写はしっかりとあったので、CMですっかり刷り込まれていた私は何の違和感も無く、(むしろわざわざそのセリフを本編に織り込むよりスムーズに)
子供たちが「雪」と「雨」だと認識できていた。

私はいつもCMや予告のシーンを好きになって、それを大画面で見たい聞きたいと思い劇場に足を運ぶので、目当てのシーンが無かった時、尋常じゃなく落胆する。
もし放映にあたって編集、カットされてしまったそのシーンが
ディスク化で収録されるのだとしたらその為だけに購入しても良いと思う作品もあった程だ。

「雪の日に生まれたから雪にしよう」「じゃあ弟は雨だね」というこの作品のCMは
胸打たれるような、特別お気に入りなシーンであったわけではないのだけど
このように本編と予告は別物だとはっきりさせるような作り方に驚かされた。
予告というのは本編を切り取って作る物だと思っていた私にとっては
もはや予告の為に作られたシーン、本編とは別の明らかな役目の存在に
軽くショックを受ける思いだった。

■おてんばで狩りが得意で、怖いもの知らずの雪と、泣き虫でちょっとどん臭い弟の雨。
どうして狼はいつも悪者で最後は殺されてしまうの?と涙ぐむ雨を見て
この子は人間として生きていくんだろうなあと思った。
三毛猫にやられて泣いて帰ってきた雨に
雪が「狼なのに舐められてるんだよ!」と(セリフ曖昧)息巻いてるシーンや
韮崎のおばさんが来てるのに
狼になったり人間になったり挑発的というか、「私はね、狼なんだよ!」と
まるでその事を誇りに思ってるような自信たっぷりな態度を見ていても
雪ちゃんは狼として生きるのかもなあ、狼にならなくても、狼寄りの人間になるんだろうな、もしかしたら人間と対決だってしちゃうかもしれない、などと思った。

それが時が経つにつれて人間として生きていこうとする女の子と、
狼として生きていく事を当たり前に感じてる男の子になっていて
「まったく子供ってのはわかんねえなあ」と
すっかり長い時間2人を見守ってきたおじちゃんのような気持ちになった。

あの泣き虫で甘ったれで「もう一回だいじょうぶして?」とか言ってた雨が
先生に狩りのやり方、地形の読み方、天候の変化など一緒に教わりに行こう、上手くなるよと雪に言うシーン。活き活きとしてた。
私はその時人間として生きようとする雪ちゃんに感情移入してたので
雨がやばい、雨もう学校来ないっていうのが不安で怖かった。

雨がテーブルをひっくり返して、雪が「やる気?」と凄むシーンが好き。
雪には自信があったんだ。
「もう二度と狼にはならないって決めたの」と言っていた雪が
狼になって雨と本気のケンカをして、家の中めちゃくちゃにして傷だらけになって、
セリフも何も無いけど雪の方が劣勢なのが目に見えてて、追い詰められてて、
最後はお風呂に逃げ込んで鍵を閉めてしまう。
人間の姿になった雨、体中傷だらけ。
湯船で泣いてる雪の体も、傷だらけで、
人間の女の子である雪と、狼で、弟よりずっと狩りが上手かった雪と、
雪のたくさんの想いがその背中に感じられた気がした。

■雨が山に入るようになって、どんどん遠くに行ってしまう空気感が
いつからかひたすら作中に漂っていて辛かった。
遠くに行かないで、置いて行かないで。しがみつきたくなるような切なさ、寂しさ。
それは今の私が感じてるリアルな部分と絡まってしまって、
雨の冷めたような、野生的な目が、綺麗でかっこよくて、何だか泣きそうになった。

だからこそ雨との別れが清々しかった。
雨は狼として生きて行く。立派に生きて行く。
そんな確信と安心と一抹の寂しさと。
嵐の次の朝の美しさを花は「世界が生まれ変わったみたいだ」と言っていた。

■エンドロールで雨と雪の幼い頃のカットが出て
あんなに小さかったのに、立派になってしまって、ってベタな事を考えながら大泣きした。
雨との10年。雪との12年。
子供は本当にすぐ大きくなってしまうね。
エンドロールが流れている間ずっとボロボロに泣いてしまった。
席を立って、帰りに前を歩いていた小学生の兄妹を見ていたら
また泣けてしまってトイレに駆け込んで泣いた。

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